生前贈与について
生前贈与は遺言と同じく、自己の財産の処分方法を自分自身で決定できる手段です。遺言への抵抗がある場合はもちろんのこと、争続の防止や、相続税対策の面からも生前贈与は効果的です。
ただし、生前贈与は正しい知識の元に行わなければかえって損をしてしまうことにもなりかねません。生前贈与は制度の変更が多々起こりますので、専門家に相談するなど、効果的な生前贈与を行ってください。
生前贈与をしない方が良いケース
生前贈与にもデメリットはあります。安易に生前贈与を選択する前に、まずは1度ご相談ください。場合によっては、他の選択肢の方がご希望に沿えることもあります。
争いを防ぎたい
「生前贈与をして、自分の死後に親族同士で起こる相続の争いを避けたい」というご相談は、当事務所にも多く寄せられます。しかし、生前贈与は贈与が認められなかったり、贈与税が加算されたりするケースも少なからずあります。贈与を受けた者の生活を圧迫するリスクもあり、安易な生前贈与はむしろ避けるべきです。当事務所では、財産が円満に相続されるためにも、遺言書の作成をお薦めしております。
相続税を節税したい
生前贈与の目的は、相続税を節税するためという方もおおくいらっしゃいます。特定の人物に財産を確実に引き継げることは、生前贈与の大きなメリットのひとつですが、贈与には贈与税がかかります。贈与税は相続税よりも税率が高く、相続のほうが納税額が低く済むこともあるのです。
当事務所では相談内容によって、相続のスペシャリストである税理士をご紹介しております。
生前贈与と相続では、どちらが節税に繋がるのかを相談しながら、決定されることを是非ご検討ください。
生前贈与のうち、非課税となる場合
贈与税がかからないケースであれば、生前贈与をおすすめすることもあります。
暦年贈与と連年贈与
より節税効果の高い贈与をするために、正しい方法をお教えします。
相続時精算課税
相続時精算課税を選択した贈与者に一年間「一定額の贈与税がかからない」という特別控除を受けることができます。
住宅取得資金の特例
家を建てる際に、資金援助してもらう場合は贈与税が大幅に軽減されます。条件は複数あるため、事前に調べておきましょう。
夫婦間の贈与
婚姻期間20年以上の夫婦の間で、居住用不動産の贈与が行われた場合に、一定の条件に当てはまれば、2,110万円まで贈与税がかからないという、配偶者控除が受けられる制度です。
負担付死因贈与契約
死因贈与契約というのは、贈与者と受贈者(贈与を受ける人)との合意のことを指します。トラブルにならないためにも事前にどんなものか理解して起きましょう。