基礎知識

相続放棄と代襲相続の関係性をわかりやすく解説

相続放棄とは、遺産の相続の一切を放棄することです。被相続人に負債があり、相続にメリットがない場合などに用いられる制度です。
それでは、相続放棄をした場合にも代襲相続は起こるのでしょうか。
そのようなことがあるならば、相続放棄をしてもなお負の遺産を相続してしまう場合や、逆に財産を相続できる場合が考えられます。
以下、相続放棄と代襲相続の関係性について見ていきましょう。

 

■相続放棄と代襲相続の関係性
相続放棄を行った場合、原則として代襲相続は起こりません。
代襲相続が発生する原因は法定されていますが、その中に相続放棄は含まれていないためです。
もっとも、特殊なケースにおいては代襲相続が起こることもあります。
以下、いくつかの具体例を挙げて各ケースについて見ていきましょう。

 

●父が祖父の相続放棄をした場合、孫に代襲相続は起こらない
祖父が死亡した後、父が祖父の相続放棄を行ったケースです。
これは相続放棄と代襲相続の問題について、もっとも代表的なケースということができます。

この場合は相続放棄を行った父の代わりに孫が祖父の遺産を相続するかが問題となりますが、先述の通り相続放棄は代襲相続の発生原因でないため、代襲相続は起こりません。したがって、孫は祖父の遺産を相続することはできないことになります。

 

●孫が父の相続放棄をした後に祖父が死亡した場合、孫に代襲相続が起こる
父が祖父より先に死亡して父の相続放棄を行った場合、祖父については相続放棄を行ったことになりません。相続放棄は人ごとに行うものであるからです。

したがってこの場合孫が父を代襲して祖父の遺産を相続することになります。
この時、祖父に債務があると、債務から逃れるためには父の相続放棄をするだけでは足りず、祖父の相続放棄も重ねて行う必要があります。
相続放棄は、被相続人の死亡後3か月以内に行う必要があるため、注意が必要です。

一方で、父の財産がマイナスかつ祖父の財産がプラスであるような場合には、父の相続放棄を行うことで、債務を免れつつ財産を得ることができます。

 

●父が孫(父の子)の相続放棄をした場合、祖父に代襲相続が起こる
祖父と父がどちらもまだ生きているうちに孫が死亡してしまい、父が相続放棄を行った場合、祖父に代襲相続が起こります。
その理由は、尊属による相続は、代襲相続として扱われていないことにあります。

この場合、祖父が孫の遺産を相続することを避けるためには、自ら相続放棄を行う必要があります。

 

このように、相続放棄と代襲相続の関係性は複雑になっています。
また、相続人の財産に予想外のプラスやマイナスがあることが判明する場合もあり、自力で相続をするか否か判断することによって大きく損をしてしまう可能性もあります。
したがって、このような場合にはプロフェッショナルである司法書士への相談をお勧めしています。

 

名波司法書士事務所では、静岡県浜松市、湖西市、磐田市を中心に業務を行っております。
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