相続対策の弱点
※司法書士には守秘義務がありますので、複数の実際のやりとりをデフォルメして記載してあります。ご了承ください。
ある方からの母親の相続に関する相談をお受けしました。
聞くところによると、その方は、税理士事務所にも相続対策の相談をされたとのこと。
その方が持参した1枚の紙を拝見すると、母親の資産が整理されて、相続税がいくかかかるかが書かれていました。
私が気になったのは、いくつかの収益物件が記載されていたことでした。
「お母様はお元気ですか?」
「はい、ただ、最近、そのあたりが心配になりつつあります」
「収益物件が何棟かありますが、お母様が認知症になられたときの対策はとられていますか?」
「いえ・・」
「おそらく、○○さんは、お父様がお亡くなりなられたときのことが気になっていろいろなとこに相談をされていると思いますが、お母様がご自身で財産管理ができなくなることを想定をされた方がいいと思いますよ」
「そうなんですね。母が認知症になっても私が勝手に管理すればいいと思っていました」
「多くの方がそうお考えなのですが、法的には問題があります。しかも、最近はいたるところで本人の意思確認がされますので、法的な問題に直面することが多くなっています」
「もう少し詳しく教えていただいてもいいですか・・」
「はい、ええっと・・・」
その後、私は、成年後見制度、民事信託について一通り説明をさせていただきました。
そこで、気づいたのですが、相続税の控除額が下がり、相続税について関心が高まっているのですが、親御さんがお亡くなりになる前のことをあまり想定されていない方がいらっしゃるということです。
相談に来られたその方は、早めに課題にお気づきになられたので、ここから対策が打てますが、親御さんの判断能力の問題がでてくると打てる手が限られてきます。
特に、収益物件が親御さんの名義になっている場合には、お元気なうちに対策をとれることをお勧めいたします。
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