コラム

相続登記に権利書は不要!よくある誤解を解消します。

今回は多くの方が誤解している「相続登記には故人の権利書(登記済証・登記識別情報)が必要」という点について明確にしていきたいと思います。

結論:相続登記に権利書は必要ありません

まず、はっきりとお伝えします。相続登記には権利書(登記済証や登記識別情報)は必要ありません。これは法律が明確に定めているルールです。

ところが、「故人の権利書をなくしてしまったので相続登記ができない」と心配される方が非常に多いのが現状です。この誤解を解消し、安心して相続登記を進めていただくために詳しく説明していきます。

なぜ権利書が不要なのか?

相続は「法定的な権利の移転」であり、売買などの「意思による権利の移転」とは性質が異なります。

  • 売買・贈与の場合:所有者が自分の意思で不動産を他人に渡す場合、本人確認のために権利書が必要
  • 相続の場合:法律上当然に権利が移転するため、故人の本人確認書類(権利書)は不要

相続登記に実際に必要なもの

では、権利書がなくても、相続登記には何が必要なのでしょうか?主に以下の書類が必要となります:

  1. 被相続人(故人)の死亡の事実を証明する書類
    • 死亡の記載のある戸籍謄本など
  2. 相続人であることを証明する書類
    • 被相続人と相続人の関係がわかる戸籍謄本一式
  3. 遺産分割協議書(相続人が複数いる場合)
    • 相続人全員の実印押印と印鑑証明書
  4. 相続する不動産の情報
    • 固定資産税評価証明書など
  5. 相続人の住民票または戸籍の附票

よくある誤解と事実

誤解1:「権利書をなくしたら相続登記できない」

事実:相続登記には権利書は不要です。権利書をなくしていても相続登記は可能です。

誤解2:「権利書がないと財産が証明できない」

事実:不動産の所有者は法務局の登記簿に記録されています。登記事項証明書(登記簿謄本)を取得すれば所有関係は確認できます。

誤解3:「権利書がないと不動産の価値が下がる」

事実:権利書の有無は不動産の価値とは関係ありません。登記簿上の権利関係が重要です。

権利書と相続登記の関係:歴史的背景

かつては「登記済権利証」が発行され、重要な証拠書類とされていました。しかし、2004年の不動産登記法改正により、紙の権利証は「登記識別情報」という電子的な仕組みに変わりました。

登記制度の変遷により、権利証の重要性は変化してきましたが、相続登記においては一貫して権利書は不要とされてきました。

相続登記を先延ばしにするリスク

2024年4月から相続登記の義務化が始まり、故人の死亡を知ってから3年以内に相続登記を行わないと過料が課せられる可能性があります。権利書の有無を心配して登記を先延ばしにするのはリスクがあります。

まとめ

  • 相続登記には故人の権利書(登記済証・登記識別情報)は必要ありません
  • 必要なのは戸籍謄本や遺産分割協議書などの書類です
  • 権利書をなくした心配をせずに、早めに相続登記を進めましょう

不安な点があれば、お近くの司法書士や法務局にご相談ください。権利書がなくても、適切な手続きで相続登記は完了できます。

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