基礎知識

遺言書を残したほうがよい場合

遺言書がない場合、法定相続人たちは法定相続分に従って、遺産を相続します。人には、遺言書を作成しなければならないという義務はないため、必要がないと思えば、遺言書を作らなくても構いません。しかし、人は、自分の意思で自分の遺産を処分したい場合に、遺言書の作成が必要です。たとえば、被相続人Aは子供B、C、Dを有しています。被相続人Aは病気のため、自分の面倒を見る人が必要です。この場合に、子供Bはずっと自分の面倒を見ていました。BはAの面倒を見るために、お金を出したり、時間を使ってくれていました。Bの親孝行に対して、子供CとDは、被相続人Aの病気に対して、ずっと不関心の態度でした。そのため、被相続人Aは、Bに多めに遺産を相続させたくなりました。この場合のAは遺言書を残したほうが良いでしょう。仮に、Aが遺言書を残さなければ、Bは多めにAの遺産を相続できなくなる可能性があります。

また、自分の法定相続人以外の人に一定の財産を残したい場合には、遺言書の作成が必要です。たとえば、被相続人Aは病気になったが、被相続人の法定相続人はあまりAの面倒を見ていなかった場合です。仕方なく、Aは家政婦Hを雇って、自分の面倒を見てもらいました。Aは家政婦にお礼を言いたくて、自分の財産を家政婦Hにも少し相続させたい場合、遺言書の作成が必要です。その理由としては、仮に、遺言書がない場合、家政婦Hは法定相続人ではないので、Aの遺産を相続する資格を有しないからです。

遺産をめぐって争うケースは少なくありません。特に、被相続人に相続人である子どもが多い場合などは、協議がなかなか達成できない可能性が高いです。被相続人は家庭関係の円満のためにも、遺言書を残したほうが良いでしょう。その理由としては、有効な遺言書の存在によって、相続人たちが自力で遺産を分割しなくても、遺言書に従って遺産を相続すればよいからです。遺言書の存在により、相続人たちがある程度揉めずに遺産を相続することが可能になるので、一定程度上、家庭関係の円満を確保できます。

また、自分が会社の経営者の場合、自分が死んだ後に、その会社の経営権を特定の人に任せたい場合には、遺言書を残す必要があるでしょう。

遺言書を残したほうがいいケースは多くあります。世の中でまったく同じ家族は存在しませんので、遺言書の重要性も家族により、違うと考えられます。そのため、遺言書を残したほうがいいかどうかについては、ケースバイケースで分析する必要があります。遺言書に興味がある方は一度専門家とのご相談をお勧めします。専門家とのご相談により、遺言書を残すメリットとデメリットをはっきり認識することが可能です。

名波司法書士事務所は、浜松市にお住まいの皆様からのご相談を承っております。
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