相続の基礎知識:意義・開始時期・開始場所をわかりやすく解説

【音声によるダイジェスト版】
ラジオ番組のようなやり取りで聞きやすい音声でのダイジェスト版です。ご活用ください。
はじめに
相続は「いつ、誰が、どこで」発生するのか──司法書士として相続手続きをお手伝いする際、お客さまからよくいただくご質問です。本記事では、民法の規定をもとに、相続の意義(なぜ起こるのか)から、相続開始の原因・時期、さらに手続きの窓口となる場所までを整理し、初めての方にもわかりやすく解説します。
1.相続とは何か?──相続の意義
・狭義の相続:人が死亡した際に、その死者(被相続人)と一定の親族関係にある者が、被相続人の財産上の法律関係を当然かつ包括的に引き継ぐこと。
・広義の相続:上記に加え、被相続人の遺言による財産処分(遺贈)を含む概念。
承継方法の2つの大別
1.法定相続
民法が定める法定相続人(配偶者・子・直系尊属・兄弟姉妹など)が、被相続人の財産を包括的に承継
2.遺言
被相続人が生前に作成した遺言書に基づき、指定された者が財産を承継
民法は、遺言がある場合を優先し(民法第900条)、遺言がない場合は法定相続により承継すると定めています。また、法定相続人の最低限の取り分を保護する「遺留分制度」も設けられています(民法第1028条以下)。
2.相続開始の原因および時期
(1)相続開始の原因:死亡のみ
・民法882条は「相続は、死亡によって開始する」と規定。
・「死亡」には、
1.普通失踪・特別失踪(家庭裁判所の失踪宣告により「死亡とみなされる」)
2.認定死亡(戸籍法89条により「死亡が確実と認められる」場合)
を含みます。
(2)相続開始の時期:死亡の瞬間
・被相続人の「死亡した瞬間」に、その財産は相続人に移転すると民法が推定。
・したがって、遺産は一時的にも「無主」にはならず、相続人の知情有無にかかわらず承継が確定。
・同時存在の原則:相続開始時に生存している者のみが相続人となる。
同時死亡の推定
地震や事故など同一危難で複数人が亡くなり、先後が判別できない場合は、
「同時に死亡したものと推定」され(民法32条①)、互いに相続できません。ただし、代襲相続は可能です。
3.相続開始の場所
・民法883条は「相続は被相続人の住所において開始する」と定めています。
・実務上は、この規定は主に相続に関する訴訟の管轄(どの裁判所で手続きをするか)を定める基準として用いられます。
おわりに
相続は「誰が・いつ・どこで」財産を承継するかを定めた重要な手続きです。特に、相続開始の原因が「死亡のみ」であることや、承継が「死亡の瞬間」に生じる点は、トラブル防止のためにも正確に理解しておきたいポイントです。
当事務所では、相続手続きのご相談から遺言書作成、財産分割協議書の作成まで、ワンストップでサポートしております。初回無料相談も承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
参考条文
・民法第882条(相続の開始)
・民法第883条(相続の場所)
・民法第900条(遺言優先の原則)
・民法第32条(同時死亡の推定)


