コラム

遺言で「特定の人に多く残したい」と考えたときに。遺留分を事前に確認する大切さ

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動産を集中して引き継がせたい」

「配偶者が安心して暮らせるように、できるだけ財産を残したい」

遺言書を考える理由は、ご家庭によってさまざまです。

一方で、財産の分け方によっては、ほかの相続人から「自分の取り分が少なすぎる」と感じられ、将来の話し合いが難しくなることがあります。

そこで知っておきたいのが、遺留分(いりゅうぶん)です。

遺留分とは、一定の相続人に法律上認められている、最低限の取り分のことです。

遺言によって財産の行き先を決めることはできますが、配偶者や子、場合によっては親には、遺留分が認められます。

兄弟姉妹には遺留分はありません。

「自由に決められると思っていた」

「財産を多く渡したい人がいるけれど、ほかの家族との関係も気になる」

そのような方こそ、遺言を書き始める前に、遺留分の目安を確認しておくことが大切です。

 

遺留分が問題になりやすい場面

遺留分は、すべての相続で大きな問題になるわけではありません。

ただし、次のようなケースでは、事前に確認しておいたほうが安心です。

  • 長男や長女など、特定の子に自宅や事業用不動産を引き継がせたい
  • 介護をしてくれた子に多く残したい
  • 再婚後の配偶者に財産を多く残したい
  • 前婚の子と現在の配偶者がいる
  • 子どもがいない夫婦で、配偶者に全財産を残したい
  • 家族以外の人、団体などに遺贈や寄付を考えている
  • 生前に、特定の子へ住宅資金や事業資金を多く援助している

特に、不動産や自社株など、分けにくい財産が中心の場合は注意が必要です。

「自宅は長男に相続させる」と遺言に書いても、ほかの相続人の遺留分への配慮が不足していると、相続後に金銭の請求が起こる可能性があります。

現在の制度では、遺留分を侵害された相続人は、遺贈や贈与を受けた人に対し、原則として不足額に相当する金銭の支払いを請求することができます。

事業を引き継いだ人が、後からまとまった現金を準備しなければならなくなることもあります。

遺留分については以下の関連記事でも詳しく紹介しています。

配偶者と兄弟姉妹の遺産相続手続きとは?子供がいない夫婦の遺留分対策

 

「多く残すこと」と「争わないこと」を両立させるために

遺留分があるからといって、「希望する人に財産を多く残せない」というわけではありません。

大切なのは、希望する分け方を実現しながら、ほかの相続人とのバランスをどう取るかを考えることです。

たとえば、次のような方法を組み合わせて検討することがあります。

  • 遺言で財産の分け方を明確にしておく
  • 預貯金や生命保険を活用し、ほかの相続人への配慮を用意する
  • 生前贈与の内容を整理する
  • 不動産や自社株の評価を早めに確認する
  • なぜその分け方にしたのかを、付言事項で伝える
  • 家族に生前から考え方を伝えておく

法律上の計算だけではなく、家族の関係性や、それぞれが抱いている気持ちも、相続では大きな意味を持ちます。

「介護をしてくれたから多く残したい」

「事業を守るために、株式を分散させたくない」

「配偶者の今後の生活を守りたい」

その理由を、遺言書や家族との対話の中で丁寧に伝えることが、将来の納得感につながる場合があります。

 

遺留分は、まず“目安”を知るところから

実際の遺留分は、単純に財産額を割り算すれば分かるものではありません。

不動産の評価、株式の評価、債務、生前贈与の内容、誰にどの財産を渡すかなどによって、結果は変わります。

たとえば、相続人への生前贈与のうち、相続開始前10年以内の特別受益に当たるものは、遺留分の計算に影響することがあります。

遺留分侵害額請求を行う場合には、原則として期限にも注意が必要です。

相続の開始と遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年、または相続開始から10年を経過すると、請求できなくなるとされています。

遺言書を作る前の段階で、

「この分け方なら、誰の遺留分に影響がありそうか」

「どのくらいの金額を配慮すればよいか」

「現金が不足した場合、将来どんな問題が起こり得るか」

を、おおよそでも把握しておくことが重要です。

 

遺留分シミュレーターで、分け方の目安を確認してみませんか

名波司法書士事務所では、遺言を考える方が、財産の分け方と遺留分への影響を事前に整理できるよう、無料の遺留分シミュレーターをご用意しています。

配偶者や子などの相続人構成、財産と債務の概算額、遺言で渡す予定の金額、生前贈与の状況などを入力すると、相続人ごとの遺留分の目安と、侵害リスクを確認できます。

最初から理解していなくても大丈夫です。

まずは、

「今の考え方で遺言を書いたら、どんなバランスになるだろう」

「特定の人に多く残した場合、ほかの家族への影響はどのくらいだろう」

という視点で、気軽に確認してみてください。

 

シミュレーション結果が気になった方へ

シミュレーターの結果は、あくまで概算の目安です。

実際には、不動産や非上場株式の評価、生前贈与が特別受益に当たるかどうか、債務の扱い、家族関係などを丁寧に確認する必要があります。

特に、次のような場合は、遺言を書く前に専門家へ相談することをおすすめします。

  • 自宅以外にも不動産がある
  • 経営している会社や自社株がある
  • 再婚、前婚の子、養子など、家族関係が複雑である
  • 特定の子へ多額の生前贈与をしている
  • 家族の間にすでに不信感や行き違いがある
  • 介護負担や事業承継への配慮を遺言に反映したい

遺言は、財産を分けるためだけの書類ではありません。

これまでの家族への感謝や、これからも穏やかに関係を続けてほしいという想いを遺すためのものでもあります。

「誰に、何を、どのような理由で遺したいのか」

その想いを大切にしながら、将来の争いもできるだけ避けられる形を、一緒に整理していきましょう。

まずは、遺留分シミュレーターで現在の分け方を確認してみてください。

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シミュレーション後に、「この結果をどう見ればよいか分からない」「自分の家庭に合う遺言の形を考えたい」と感じた方は、個別相談をご利用ください。

「ただ、いきなり事務所へ相談に行くのは少し緊張するな」

「まずは自分のペースで、相続や遺言の基本からゆっくり学んでみたい」

そう思われた方は、当事務所の公式LINEをあなたの小さな「学びの居場所」としてご活用ください

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