【2025年10月開始】公正証書遺言のデジタル化とは?ウェブ会議で作れる新制度を司法書士が解説

※この記事は2026年7月時点の情報です。制度の運用は順次拡大しているため、最新状況は記事末尾の更新履歴をご確認ください。
2025年10月1日、改正公証人法が施行され、公正証書の作成手続がデジタル化されました。
遺言の分野では「公証役場に行かずに公正証書遺言が作れるようになった」と紹介されることが多い改正ですが、誰でも・どこでも・すぐに使えるわけではありません。
できること・できないことを整理します。
何が変わったのか:3つのデジタル化
1. ウェブ会議での作成
嘱託人(遺言者)が希望し、公証人が相当と認める場合には、遺言内容の陳述聴取や確認をウェブ会議で行えるようになりました。
病気や移動困難で公証役場への出頭が難しかった方には大きな前進です。
2. 電子署名
従来の紙への署名・押印に代わり、電子署名による意思表示が可能になりました。
3. 電子データでの原本保存
公正証書の原本が原則として電子データで作成・保存されるようになり、災害等による滅失リスクが下がりました。
実務目線の注意点:ここでつまずく
対応できる公証役場が限られています
すべての公証役場が対応しているわけではなく、指定を受けた公証人のいる役場に限られます。
浜松近郊での対応状況は当事務所で最新情報を確認していますので、お問い合わせください。
「公証人が相当と認める場合」という関門があります
ウェブ会議の利用は無条件ではありません。
遺言は本人の真意確認が生命線であるため、初回から全てオンラインで完結するとは限らず、事案によっては対面を求められます。
本人のIT環境が必要です
安定した通信環境、カメラ付き端末、電子署名の準備などは遺言者本人側で必要です。
ご高齢の方の場合、ここが現実的なハードルになることが少なくありません。
金融機関側の対応は発展途上です。
死後の手続きで電子データの公正証書遺言をどう扱うか、金融機関の運用はまだ揃っていません。
当面は紙の正本・謄本の交付を受けておく運用が安全です。
従来の公正証書遺言と何が変わらないか
デジタル化されても、
- 公証人が関与して作る
- 証人2名が必要
- 財産額に応じた公証人手数料がかかる
- 遺言者本人の意思確認が必須(代理不可)
——という骨格は変わりません。
つまり「公正証書遺言の確実性はそのままに、作る手段が広がった」と理解するのが正確です。
こんな方には追い風です
体力面で公証役場への出頭が難しい方、入院・施設入所中の方(従来も公証人の出張制度はありましたが選択肢が増えました)、遠方の家族が手続きを支えるケースなどでは、ウェブ会議の活用価値があります。
一方、IT環境に不安がある方は、従来どおりの対面作成が結局いちばん早くて確実です。
当事務所では、文案作成から公証役場との調整、証人の手配まで、対面・オンラインどちらのルートでもサポートしています。
まとめ
2025年10月のデジタル化で、公正証書遺言は「作りに行くもの」から「つながって作れるもの」へ一歩進みました。
ただし対応役場の限定・公証人の裁量・IT環境・金融機関の対応という4つの現実的な制約があります。
制度に振り回されず、ご自身の状況に合うルートを選ぶことが大切です。
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「体調や移動の都合で、オンラインやウェブ会議で作成したい」
「自分のIT環境や希望する条件で、デジタル作成ができるか知りたい」
2025年10月の法改正により公正証書遺言のデジタル化が進みましたが、対応する公証役場の選定や公証人の判断、死後の手続きなど、事前調整が必要なポイントがいくつかあります。
当事務所(静岡県浜松市)では、浜松近郊および全国の公証役場の最新対応状況を把握しており、オンライン作成と従来の対面作成のどちらがお客様にとって最も確実でスムーズかを判断し、文案作成から公証役場との調整、証人手配までトータルでサポートいたします。
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<更新履歴>2026年7月:初版公開(対応状況は公開時点のもの)
作成日:2026年7月30日
執筆・監修:司法書士 名波直紀
名波司法書士事務所 代表
静岡県司法書士会所属・登録番号517
簡裁訴訟代理等関係業務認定番号108040
※本記事は、2026年7月28日現在の法令・公的機関の公表情報に基づいて作成しています。法令や制度は改正されることがありますので、実際の手続にあたっては最新情報をご確認ください。


