相続とお金の情報マガジン|遺言書・口座凍結・贈与契約書の基礎知識【2026年6月号】

相続とお金の情報マガジン 2026年6月号
将来に備えて知っておきたい、相続・贈与・お金の基礎知識
相続の手続きや生前対策は、いざ必要になってから調べ始めると、思った以上に複雑です。
「遺言書は書いた方がいいのか」
「親の口座が凍結されたら、葬儀費用はどうすればいいのか」
「生前贈与は、口約束だけで大丈夫なのか」
「相続税の申告漏れは、どのような点に注意すればいいのか」
このような疑問は、多くのご家庭で起こり得ます。
そこで当事務所では、相続やお金に関する身近なテーマをわかりやすくまとめた「相続とお金の情報マガジン」を毎月お届けしていきます。
専門的な制度を一度にすべて理解する必要はありません。まずは毎月少しずつ、相続・贈与・財産管理・不動産・保険・年金などについて知識を増やしていくことが大切です。
2026年6月号の主な内容
今回のマガジンでは、相続の現場で特にご相談の多い3つのテーマを取り上げています。
1. 遺言書に添える「言葉」の役割
遺言書というと、誰にどの財産を相続させるかを決める書類、というイメージが強いかもしれません。
しかし、遺言書には財産の分け方だけでなく、ご家族への想いや、財産配分を決めた理由を書き添えることができます。これを「付言事項」といいます。
付言事項そのものに法的な拘束力はありませんが、残されたご家族にとっては、遺言者の気持ちを知る大切な手がかりになります。
たとえば、法定相続分とは異なる分け方をする場合、理由が何も書かれていないと、相続人の間で不満や誤解が生じることがあります。
一方で、
「長年介護をしてくれたことに感謝している」
「自宅は同居している長男に引き継いでもらいたい」
「他の子には生前に援助をしてきたため、このような分け方にした」
といった背景が書かれていれば、相続人が遺言者の真意を理解しやすくなります。
遺言書は、財産を分けるためだけの書類ではありません。家族への最後のメッセージとして、想いを伝える役割もあります。
2. 葬儀費用などで困らないための預貯金の仮払い制度
人が亡くなると、銀行口座は凍結されることがあります。
口座が凍結されると、遺産分割協議が終わるまで、原則として預金を自由に引き出すことができません。
しかし、相続開始直後には、葬儀費用、医療費、施設費、当面の生活費など、すぐに支払いが必要になることがあります。
そのような場合に活用できる制度が「預貯金の仮払い制度」です。
この制度を使うと、遺産分割協議が成立する前でも、一定の範囲で相続人が被相続人名義の預貯金を引き出せる場合があります。
金融機関の窓口で手続きする方法では、原則として、
相続開始時の預金残高 × 3分の1 × その相続人の法定相続分
を基準に、1つの金融機関につき150万円を上限として払い戻しを受けることができます。
ただし、仮払いを受けた金額は、後日の遺産分割で調整されます。また、相続放棄を検討している場合には、利用に注意が必要です。
「親が亡くなった後、すぐにお金を動かせなくなる」ということは、事前に知っておくだけでも大きな備えになります。
3. 「あげた・もらった」を残す贈与契約書の重要性
親子や親族の間では、「身内だから口約束で大丈夫」と考えて、生前贈与を口頭だけで済ませてしまうことがあります。
しかし、後になって相続が発生したときに、
「あれは贈与だったのか」
「貸しただけではないのか」
「本当に本人の意思で渡したのか」
「他の相続人は聞いていない」
といった問題が起こることがあります。
また、税務調査の場面では、名義預金や申告漏れを指摘される可能性もあります。
そこで大切になるのが「贈与契約書」です。
贈与は、贈る人が「無償で与える」という意思を示し、受け取る人がそれを受け入れることで成立する契約です。
贈与契約書を作成しておけば、いつ、誰が、誰に、何を、どのような方法で贈与したのかを明確に残すことができます。
特に現金を贈与する場合は、契約書を作成したうえで銀行振込を利用し、通帳にも記録を残しておくことが大切です。
贈与契約書は、贈る側と受け取る側の双方を守る「安心の証明書」といえます。
相続税の申告漏れにも注意が必要です
今回のマガジンでは、相続税に関する調査状況にも触れています。
相続税の申告漏れは、財産を隠そうとした場合だけでなく、制度をよく知らなかったために起こることもあります。
たとえば、名義預金、生前贈与、不動産、保険、相続開始前後のお金の動きなどは、後から問題になりやすい部分です。
相続税の申告が必要かどうか不安な場合は、早めに税理士などの専門家に確認することが大切です。
また、司法書士の立場から見ると、相続税だけでなく、遺言書、遺産分割協議、相続登記、預貯金の解約、贈与契約書の作成などを含めて、全体を整理しておくことが重要です。
毎月のマガジンで、相続の不安を少しずつ整理しましょう
相続対策は、一度に完璧に進める必要はありません。
大切なのは、早めに情報を知り、ご家族の状況に合わせて、必要な準備を少しずつ進めることです。
「まだ先のこと」と思っていても、認知症、病気、相続発生、口座凍結、不動産の名義変更、親族間の話し合いなどは、突然現実の問題になることがあります。
毎月の「相続とお金の情報マガジン」では、相続・贈与・遺言・財産管理・不動産・保険・年金など、将来に備えて知っておきたいテーマをわかりやすくお届けします。
今月号のマガジンは、下記よりダウンロードしてご覧いただけます。
相続や生前対策について気になることがありましたら、早めに専門家へご相談ください。



