コラム

法定相続情報一覧図は自分で作る?司法書士に頼む?費用と時間の正直な比較

法定相続情報一覧図について調べると、「自分でも作れます」という記事と、「専門家に依頼しましょう」という記事の両方が見つかります。

「本当のところ、自分で作れるのか」

「司法書士に頼むと、いくらかかるのか」

「時間と費用を考えたら、どちらが得なのか」

この記事では、司法書士の立場から、あえて正直に比較します。

先にお伝えしておくと、法定相続情報一覧図は、ご自身で作成できる書類です。法務局も、相続人ご本人が申出することを前提に、様式や記載例を公開しています。

そのうえで、「自分でやると何にどれだけ時間がかかるのか」「どんな場合は依頼した方がよいのか」を整理します。

結論:分かれ目は「戸籍集め」と「相続関係の複雑さ」

一覧図の作成は、大きく3つの工程に分かれます。

  1. 戸籍謄本などの必要書類を集める
  2. 一覧図を作成する
  3. 申出書を書いて、法務局へ申出する

このうち、図を描く工程(2)は、実はそれほど難しくありません。無料のツールやテンプレートも利用できます。

大変なのは、工程(1)の戸籍集めです。

そして、集めた戸籍から「誰が法定相続人か」を正しく判断する部分に、間違いのリスクが潜んでいます。

したがって、判断の目安は次の通りです。

  • 戸籍集めの手間を受け入れられ、相続関係がシンプル(配偶者と子どもだけ、など)→ 自分で作れる可能性が高い
  • 戸籍集めに時間を割けない、または相続関係に複雑な要素がある → 依頼を検討した方がよい

自分で作る場合:かかる費用と時間

費用の目安

自分で作る場合にかかるのは、主に戸籍関係の実費です。

  • 戸籍謄本:1通450円
  • 除籍謄本・改製原戸籍:1通750円
  • 住民票の写し・戸籍の附票など:1通200〜400円程度(市区町村による)
  • 郵送で請求する場合の定額小為替手数料・郵送費

被相続人の出生から死亡までの戸籍は、転籍や法改正の関係で複数通にわたるのが普通です。相続関係にもよりますが、実費の合計はおおむね数千円程度に収まることが多いでしょう。

法務局への申出自体は無料で、認証を受けた写しの交付にも手数料はかかりません。

時間の目安

費用よりも見込んでおきたいのが時間です。

  • 戸籍集め:令和6年(2024年)に始まった広域交付制度により、本籍地が遠方でも最寄りの市区町村窓口でまとめて請求できるケースが増えました。ただし、窓口へ行く必要があること、兄弟姉妹の戸籍は広域交付の対象外であることなど、制約もあります。郵送請求が必要な場合は、1か所につき1〜2週間かかることもあります
  • 一覧図の作成と申出準備:慣れない方で半日〜1日程度
  • 法務局の認証:申出から交付まで、おおむね1〜2週間

全体では、早くて2〜3週間、戸籍が複雑な場合は1〜2か月を見込んでおくと現実的です。

自分で作る場合のつまずきポイント

当事務所にご相談いただく中で多いのは、次のようなつまずきです。

  • 戸籍を集めたつもりが、出生までさかのぼれておらず、法務局で追加を求められた
  • 戸籍を読んでいたら、前婚の子や養子など、想定していなかった相続人が出てきた
  • 一覧図の記載が戸籍と一致しておらず、補正(修正)を求められた

補正や追加書類の指示があると、そのたびに法務局とのやり取りが発生し、想定より時間がかかります。

司法書士に頼む場合:費用と範囲

費用の目安

司法書士に依頼する場合の報酬は、事務所や依頼範囲によって異なりますが、一般的な目安は次の通りです。

  • 一覧図の作成と法務局への申出代行のみ:1万円台〜3万円程度
  • 戸籍集めから一括で依頼する場合:3万円台〜(戸籍の通数などにより変動)+ 実費

インターネット上には「司法書士に頼むと5〜10万円」といった記載も見られますが、一覧図の取得だけであれば、それより抑えられることが多いのが実情です。なお、相続登記や預貯金の解約手続きまでまとめて依頼する場合は、それぞれの手続きの報酬が別途かかります。

正確な費用は、相続関係と依頼範囲によって変わりますので、見積もりを取って確認してください。

依頼するメリットは「費用」ではなく「確実さと時間」

正直に申し上げると、費用だけを比べれば、自分で作る方が安く済みます。

依頼する価値があるのは、次のような場合です。

  • 平日の日中に役所や法務局へ行く時間が取れない
  • 相続人が多い、遠方に散らばっている、関係が複雑で、戸籍の収集と読み取りに自信がない
  • 相続登記や銀行手続きまで一括して任せ、早く終わらせたい
  • 間違いなく一度で認証を受けたい

司法書士は、戸籍の職務上請求ができるため、相続人の方が集めるより短期間で書類が揃うことも少なくありません。

一覧表で比較する

自分で作る 司法書士に依頼する
費用 戸籍などの実費のみ(数千円程度) 実費+報酬(依頼範囲により1万円台〜)
時間 2〜3週間〜(複雑なら1〜2か月) 打ち合わせ後は待つだけ
手間 戸籍集め・作成・申出をすべて自分で ほぼなし
リスク 補正・やり直しの可能性 専門家が確認して申出
向いている方 時間が取れて、相続関係がシンプルな方 忙しい方、相続関係が複雑な方、登記等まで任せたい方

自分で作ってみると決めた方へ

ご自身で進める場合は、いきなり提出用の一覧図を作ろうとせず、まず相続人の関係を下書きで整理することをおすすめします。

相続サプリの「法定相続情報一覧図 かんたん作成アプリ」は、質問に沿って入力するだけで、一覧図の下書きを無料で作成できるツールです。戸籍を見ながら入力し、家族の関係を見える形にしてみてください。

>>法定相続情報一覧図 かんたん作成アプリは、こちら<<

※アプリで作成できるのは、法務局へ申出する前の下書きです。戸籍・除籍謄本などの記載と一致しているかは、必ずご確認ください。

様式・記載例・必要書類は、法務局の公式ページでも確認できます。

>>法務局|法定相続情報証明制度の具体的な手続について<<

次のような方は、依頼を検討してください

  • 相続人に、前婚の子・養子・代襲相続・数次相続などの要素がある
  • 兄弟姉妹や甥・姪が相続人になるため、集める戸籍が大幅に増える
  • 不動産の相続登記や預貯金の解約まで、まとめて進めたい
  • 一度自分でやってみたが、途中で行き詰まってしまった

「戸籍は集めたので、確認と申出だけお願いしたい」という部分的なご依頼も可能です。途中まで進めてから相談いただいても、集めた書類は無駄になりません。

当事務所では、法定相続情報一覧図の取得代行を承っております。費用の見積もりだけのお問い合わせも歓迎です。

ご相談のお申し込み・お問い合わせ

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>>名波司法書士事務所(静岡県浜松市)へお問い合わせ<<


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