「出生から死亡までの戸籍」とは?どこまで遡れば揃ったことになるのか

法定相続情報一覧図の申出でも、相続登記でも、銀行の手続きでも、必ず求められるのが「被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等一式」です。
「死亡の記載がある戸籍だけではだめなのか」
「どこまで遡れば『揃った』ことになるのか」
この記事では、出生までの戸籍が必要な理由と、集め方の手順を解説します。
なぜ「出生まで」必要なのか:隠れた相続人がいないことの確認
戸籍を出生まで遡る目的は、ただひとつ。
被相続人の子ども全員を確定するためです。
現在の戸籍には、その戸籍が作られた後の情報しか載っていません。たとえば、
- 若い頃の婚姻で生まれた前婚の子
- 認知した子
- 過去の養子縁組
これらは、古い戸籍にしか記載されていないことがあります。
「子どもは私たち2人だけ」と家族が思っていても、戸籍を遡ると別の相続人が見つかる――実務では決して珍しくないことです。
相続人が1人でも欠けた遺産分割は無効ですから、手続き先はどこも「出生まで遡った戸籍」で相続人の確定を求めるのです。
「揃った」といえる状態とは
被相続人の死亡時の戸籍から出発し、ひとつ前の戸籍、そのまた前の戸籍と遡っていき、出生時の記載がある戸籍までつながった状態が「揃った」状態です。
戸籍が複数通になる主な理由は次の3つです。
- 婚姻・分籍:結婚などで親の戸籍から抜け、新しい戸籍が作られた
- 転籍:本籍地を移した
- 改製:法律の改正で戸籍が作り直された(昭和と平成に大きな改製があります)
平均的な方でも4〜6通、転籍が多い方では10通近くになることもあります。
集め方の手順
手順1:死亡時の戸籍から始める
まず、被相続人の最後の本籍地の市区町村で、死亡の記載がある戸籍(除籍)謄本を取ります。
請求の際に 「相続手続きに使うので、この方の出生から死亡までの戸籍を、こちらの市区町村にある分すべてください」 と伝えるのがコツです。
同じ市区町村に保管されている分をまとめて出してくれます。
手順2:戸籍の「従前戸籍」欄を読んで遡る
取得した戸籍には、ひとつ前の戸籍がどこにあったか(従前本籍・改製の記載など)が書かれています。
それを手がかりに、前の本籍地の市区町村へ請求します。
手順3:出生の記載まで到達したら完了
一番古い戸籍に出生の記載(または出生時にその戸籍に入っていたことがわかる記載)があれば完了です。
なお、令和6年に始まった戸籍の広域交付制度を使えば、直系のご家族は最寄りの市区町村窓口で全国分をまとめて請求できるようになりました(制約もあります。詳しくは別記事で解説します)。
よくあるつまずき
- 死亡の記載がある1通だけで手続きに行き、追加を求められた
- 古い戸籍が手書きの旧字体で読めず、どこへ遡ればよいかわからない
- 遡る途中で、家族が知らなかった相続人の存在が判明した
- 戦災などで戸籍が失われており、廃棄証明などの代替書類が必要になった
とくに「知らない相続人が出てきた」場合は、その後の遺産分割の進め方に関わる重大な局面です。
自己判断で進める前に、専門家への相談をおすすめします。
戸籍が揃ったら、一覧図の下書きへ
戸籍が揃ったら、記載内容をもとに相続人の関係を図に整理しましょう。
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※下書きの記載が戸籍と一致しているか、必ず原本と突き合わせてください。
戸籍集めごと任せたい方へ
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「旧字体の戸籍が読めない」
「途中まで集めたが行き詰まった」
という方は、集めた分を引き継いでの部分依頼も可能です。


