改製原戸籍・除籍謄本とは何が違う?一覧図作成に必要な戸籍の種類まとめ

相続のために戸籍を集め始めると、「戸籍謄本」のほかに「除籍謄本」「改製原戸籍(かいせいげんこせき/はらこせき)」という聞き慣れない書類が登場します。
「全部同じようなものではないのか」
「なぜ古い戸籍まで取る必要があるのか」
この記事では、3種類の戸籍の違いと、相続手続きでの役割を整理します。
3種類の戸籍:ひと言でいうと
| 種類 | ひと言でいうと | 手数料(1通) |
|---|---|---|
| 戸籍謄本(現在戸籍) | いま生きている戸籍 | 450円 |
| 除籍謄本 | 全員がいなくなって閉じられた戸籍 | 750円 |
| 改製原戸籍 | 法改正で作り直される前の古い戸籍 | 750円 |
※正確には、コンピュータ化後の証明書は「全部事項証明書」と呼ばれますが、実務では「戸籍謄本」で通じます。
除籍謄本:全員が抜けて「閉じた」戸籍
戸籍に載っている人が、死亡・婚姻・転籍などで全員いなくなった戸籍は閉鎖され、「除籍」として保管されます。
その写しが除籍謄本です。
被相続人が亡くなると、同じ戸籍に誰も残っていなければその戸籍は除籍になります。
「死亡の記載のある戸籍を」と請求したら除籍謄本が出てきた、というのはこのためです。
改製原戸籍:法改正で「作り直される前」の戸籍
戸籍は、法律の改正によって様式が何度か作り直されています。大きなものは次の2回です。
- 昭和の改製(昭和32年頃〜):戦後の民法改正に伴い、「家」単位から夫婦単位の戸籍へ
- 平成の改製(平成6年〜、実施時期は市区町村による):紙の戸籍からコンピュータ化された戸籍へ
作り直される前の戸籍が「改製原戸籍」です。
なぜ原戸籍まで必要なのか:転記されない情報がある
ここが重要なポイントです。
戸籍が改製されるとき、その時点で有効な情報しか新しい戸籍に転記されません。
たとえば、改製前に離婚した配偶者、認知した子、死亡や婚姻で除籍された子などの記載は、新しい戸籍には引き継がれないことがあります。
つまり、現在の戸籍だけを見ても、過去の家族関係の全体は見えないのです。
相続人を確定するために「出生から死亡まで」の戸籍一式が求められ、その中に改製原戸籍が含まれるのは、この転記されない情報を確認するためです。
一覧図の作成では、どれを集めることになるか
法定相続情報一覧図の申出に必要な「被相続人の出生から死亡までの戸籍」は、実際には次のような組み合わせになります。
- 死亡時の戸籍(除籍)謄本
- 平成改製前の改製原戸籍
- 婚姻前に入っていた親の戸籍(除籍または改製原戸籍)
- さらに古い昭和改製前の原戸籍……
被相続人が高齢の方であれば、昭和初期や大正・明治の戸籍まで遡ることも普通にあります。
古い戸籍は毛筆の手書き・旧字体で、読み取りには慣れが必要です。
請求時の注意点
- 請求先は本籍地の市区町村です(住所地ではありません)
- 「相続手続きのため、出生から死亡までの戸籍のうち、この市区町村にある分すべて」と伝えると、除籍・原戸籍も含めてまとめて交付してくれます
- 除籍・原戸籍は1通750円。相続全体では数千円規模になることを見込んでおきましょう
- 広域交付制度を使う場合も、除籍・改製原戸籍は請求できますが、一部の古い戸籍(電子化されていないもの)は対象外のことがあります
集めた戸籍を、一覧図の形に
戸籍の種類がわかったら、あとは記載を読み取り、相続人の関係を1枚の図にまとめる作業です。
相続サプリの「法定相続情報一覧図 かんたん作成アプリ」で、戸籍を見ながら家族関係を入力し、下書きを作ってみてください。
※氏名・生年月日は戸籍の記載どおりに。旧字体の扱いは別記事で解説しています。
古い戸籍の読み取りに自信がない方へ
改製原戸籍の読み取りは、専門家でも慎重に行う作業です。
「集めたけれど、これで全部なのか判断できない」
「手書きの戸籍が読めない」
という方は、書類一式をお持ちいただければ、不足の有無を確認いたします。


