保管制度で受け付けてもらえる遺言書の様式ルール:余白・片面・ホチキス

法務局の保管制度を使う場合、民法上の遺言の要件(全文自書・日付・氏名・押印)に加えて、保管制度独自の様式ルールを守る必要があります。
内容は完璧なのに余白が足りずに出直し——という残念な事例が実際に起きています。
今回の記事では数値まで具体的に解説します。
用紙のルール
- サイズ:A4判
- 片面のみに記載(裏面に書いてはいけません)
- 文字が消えにくいボールペン等で書く(鉛筆・消せるペンは不可)
- 模様や彩色のない用紙が望ましい(読み取りに支障のないこと)
余白のルール【最重要・最頻出の不備】
各ページに、上5ミリ・下10ミリ・左20ミリ・右5ミリ以上の余白が必要です。
左に広い余白を取るのは、法務局がスキャン・管理する際の綴じ代のためです。
つまずきやすいのは次のパターンです。
- 市販の遺言書用紙・便箋の枠線が余白ラインにかかっている
- 文字数が多く、最終行が下端ぎりぎりまで達している
- 署名や押印が右端・下端の余白にはみ出した
- 財産目録として添付した登記事項証明書のコピーの端が余白不足(コピー時に縮小して余白を確保します)
余白は「文字・印影が1ミリでもかかればアウト」の世界です。
定規で測るくらいの慎重さで確認してください。
ページ番号と複数枚のルール
- 複数ページになる場合は、各ページに通し番号を「1/3、2/3、3/3」のように総ページ数が分かる形で記載します(番号も余白の内側に)。
- ホチキス・のり付け・契印は不要(むしろ外した状態で提出します)。法務局がバラのままスキャン・保管するためです。
- 封筒に入れない・封をしない。封緘された遺言書は受け付けられません。
財産目録を添付する場合
パソコン作成の目録や通帳コピー・登記事項証明書コピーも、A4片面・余白・ページ番号のルールに従います。
そして自書によらない目録の毎葉に署名押印が必要です。
コピーを取る際は、余白確保のため少し縮小するのが実務のコツです。
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実例に学ぶ(※事務所実例を匿名化して挿入予定)
(例:市販の縦書き便箋で作成された遺言書が余白不足で受け付けられず、A4用紙で書き直しとなったケース/目録コピーの署名押印漏れをその場で指摘されたケース——など、実際に窓口で起きた修正事例を1〜2件掲載)
様式チェックリスト
□ A4・片面・消えないペン
□ 余白:上5・下10・左20・右5ミリ以上(文字・印影がかかっていない)
□ 複数枚は通し番号(1/2形式)
□ ホチキス止めしていない・封をしていない
□ 目録の毎葉に署名押印
□ 日付・氏名・押印(民法上の要件)
まとめ
法務局の遺言書保管制度をスムーズに利用するための様式ルールは、「A4用紙・片面印刷・規定の余白・通し番号(1/2形式)・綴じない・封をしない」の6点です。
-
最重要注意点: 上5mm・下10mm・左20mm・右5mm以上の余白を確保する(1mmのはみ出しも不備扱い)
-
提出時の基本: ホチキス止めやのり付け、封緘はせず、バラの状態で持参する
ルールはすべて法務局がデータ化・長期保管するための合理的なものです。
出直しや書き直しの手間を省くためにも、事前にチェックリストでしっかりと確認してから申請予約に進みましょう。
「法務局の様式ルール、これで大丈夫?」とお悩みの方へ
「余白の取り方や文字のはみ出しがないか不安」
「登記事項証明書や通帳のコピーを目録にするけれど、正しく余白が確保できているか確認したい」
自筆証書遺言書保管制度はとても便利な仕組みですが、文字や印影が1ミリでも余白ラインにかかっていたり、ホチキス留めをしてしまったりしていると、窓口で書き直し(出直し)になってしまう厳しい現実があります。
当事務所(静岡県浜松市)では、2,000件超の相続・遺言実務に携わってきた司法書士が、遺言書の内容面のチェックはもちろん、法務局の厳格な様式ルールに適合しているかの事前確認や提出用書類の作成まで親身にサポートいたします。
二度手間にならず一発で手続きを終えるために、まずは無料相談でお気軽にお悩みをお聞かせください。
作成日:2026年8月4日
執筆・監修:司法書士 名波直紀
名波司法書士事務所 代表
静岡県司法書士会所属・登録番号517
簡裁訴訟代理等関係業務認定番号108040
※本記事は、2026年8月4日現在の法令・公的機関の公表情報に基づいて作成しています。法令や制度は改正されることがありますので、実際の手続にあたっては最新情報をご確認ください。


