コラム

ペットに財産は遺せる?寄付・遺贈で「想い」を形にする遺言

「残されるペットのために財産を」

「お世話になった団体に寄付したい」

——どちらも遺言で実現できますが、正しい設計を知らないと想いが空振りになる分野です。

 

ペットに直接は遺せない。使うのは負担付遺贈

日本の法律ではペットは相続人にも受遺者にもなれません。

実務の解決策は、信頼できる人へ財産を遺す代わりにペットの世話という義務を課す負担付遺贈です。

第◯条 遺言者は金300万円を友人◯◯に遺贈する。
2 受遺者は、愛犬「ハナ」を生存中、愛情をもって飼育しなければならない。

金額は飼育実費に見合う額とし、事前に引受人の承諾を得ます。遺言執行者を指定し、負担の履行を見守る体制も整えます。

引受人がいない場合は、老犬・老猫ホームや保護団体への飼育費を添えた遺贈も選択肢です。

 

団体への寄付は遺贈寄付で

  1. 団体の正式名称・所在地で特定する
  2. 原則として金額や財産を指定する特定遺贈にする
  3. 不動産は売却換価後の残金を遺贈する清算型を検討する
  4. 受入意思を生前に確認する

包括遺贈は債務まで引き継ぐ可能性があり、団体が辞退する場合があります。

不動産の換価を担う遺言執行者の指定も重要です。

ペットの負担付遺贈では「引き取り手が正しく飼育しているか確認・管理する役目」、遺贈寄付では「不動産を売却して現金化する役目」として、どちらも強力な権限を持つ遺言執行者の存在が必須条件となります。

誰を遺言執行者に選ぶべきかについては、こちらの記事で解説しています。

遺言執行者は指定すべき?誰を選ぶか・司法書士に頼む場合の役割

 

遺留分への配慮を忘れずに

ペットへの備えや寄付が相続人の遺留分を侵害すると、受遺者や団体が請求の相手になります。

想いの受け皿に迷惑をかけない配分設計が大切です。

法律上の相続人以外(お世話になった方や団体など)に財産を譲る際は、文言の書き方や税制上の注意点(2割加算等)を押さえる必要があります。

相続人以外への遺贈の基本ルールは以下の関連記事をご覧ください。

また、ペットの引き取り手や寄付先の団体が自分より先に解散・死亡した場合に備え、「予備的遺言(補充遺言)」を設定しておくことも大切です。

相続人以外にも遺したい(世話になった嫁・内縁・孫):遺贈の書き方と注意点

予備的遺言とは:遺す相手が先に亡くなったときに備える一文

 

まとめ

ペットへの生活費の確保や、思い入れのある団体への寄付は、正しい遺言の形式と実務上の手続きを知っておかなければ想いが空振りになってしまう分野です。

ペットのために: 直接の相続はできないため、信頼できる人へ飼育義務を課す「負担付遺贈」を活用する

団体への寄付: 辞退を防ぐため生前に受け入れ意思を確認し、不動産は売却換価して渡す「清算型遺贈」を検討する

共通の必須要件: 義務の履行監視や換価手続きを行う「遺言執行者」を指定し、相続人の遺留分に配慮した配分にする

大切な家族であるペットの未来や、社会貢献への熱い想いを確実に届けるために、受け取る相手の負担や手続きまで配慮した専門家による精密な遺言設計をおすすめします。

「自分が亡き後の愛犬・愛猫の暮らしや、応援したい団体の支援が心配」な方へ

「自分が倒れた後、残されたペットが不自由なく暮らせるように資金を残したい」

「お世話になった団体や保護活動へ、自分の財産を役立ててもらえる遺言を作りたい」

ペットへの備えや寄付(遺贈寄付)は、単に「預金を譲る」と書くだけでは不十分です。

法律上のルールに基づき「負担付遺贈」などの形式を整え、遺言執行者の指定や受け入れ先への事前確認を行っておかなければ、死後に受け取りを拒否されたり、相続人とのトラブルに巻き込まれたりしてしまう危険性があります。

当事務所(静岡県浜松市)では、2,000件超の相続・遺言実務に携わってきた司法書士が、ご自身の想いが確実に実現するよう、負担付遺贈の文面作成から遺言執行者の就任、寄付先団体との事前調整まで一貫して手厚くサポートいたします。

あなたの大切な存在や想いを未来へ繋ぐために、まずは無料相談でお気軽にお悩みをお聞かせください。

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作成日:2026年8月7日

執筆・監修:司法書士 名波直紀
名波司法書士事務所 代表
静岡県司法書士会所属・登録番号517
簡裁訴訟代理等関係業務認定番号108040

※本記事は、2026年8月7日現在の法令・公的機関の公表情報に基づいて作成しています。法令や制度は改正されることがありますので、実際の手続にあたっては最新情報をご確認ください。

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