遺産分割協議書は自分で作れる?司法書士に頼む?費用とリスクの正直な比較

「遺産分割協議書は、専門家に頼まないと作れないのか」
先に結論をお伝えします。
遺産分割協議書は、ご自身で作成できます。
法律上、専門家の関与は必須ではなく、ひな形も法務局・国税庁をはじめ多くのサイトで公開されています。
そのうえで、司法書士として正直に、「自分で作る場合に何がリスクになるのか」「依頼するといくらかかり、何をしてもらえるのか」を比較します。
自分で作る場合:費用はほぼゼロ、リスクは3つ
費用
協議書の作成自体にお金はかかりません。
かかるのは周辺の実費だけです。
- 戸籍謄本など相続人確定のための書類:数千円程度
- 相続人全員の印鑑証明書:1通200〜400円程度×人数分
- 不動産の登記事項証明書など財産確認の書類
リスク1:相続人の見落とし
遺産分割協議は相続人全員の参加が絶対条件です。
戸籍を出生まで遡らず、後から前婚の子や養子が判明した場合、協議は無効となり最初からやり直しです。
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リスク2:財産の特定不備
不動産を住所で書いた、口座の特定が不十分だったといった協議書は、法務局や銀行で受け付けてもらえません。
全員の実印をもらい直す大きな負担が生じます。
リスク3:税務・法務の考慮漏れ
代償金の書き方を誤って贈与税の問題が生じる、小規模宅地等の特例を考えず相続税が増えるなど、「書けたけれど損をした」ケースがあります。
司法書士に頼む場合:費用と範囲
費用の目安
- 遺産分割協議書の作成のみ:数万円程度
- 相続登記とセット:登記報酬に含まれる、または加算されるのが一般的
- 戸籍収集・財産調査・預貯金手続きまで:範囲に応じて加算
正確な金額は相続関係と依頼範囲で変わるため、見積もりをご確認ください。
誰に頼むかで、できることが違う
- 司法書士:協議書作成と相続登記。不動産がある相続に適しています
- 税理士:相続税申告や税務を考慮した分割案
- 弁護士:相続人間に争いがある場合の交渉・調停
- 行政書士:協議書作成
自分で作成できるかの判断基準
- 戸籍で相続人を確定できた
- 財産が預貯金中心などシンプルで、特定に迷いがない
- 相続人同士の関係が良好で、分け方に全員が納得している
反対に、不動産がある、認知症・未成年・海外在住など複雑な事情がある、相続税申告がある場合は、専門家への依頼を検討する価値があります。
折衷案:下書きは自分で、チェックは専門家
ひな形を使ってご自身で下書きを作り、全員が署名・押印する前に専門家が確認する方法もあります。
費用を抑えつつ、無効や不備のリスクを減らせます。
費用の見積もりだけでも、お気軽に
「自分で作れるのか」「頼んだらいくらか」という見極めからご相談ください。
ここまで進めた書類を活かす部分依頼も可能です。
ご相談のお申し込み・お問い合わせ
作成日:2026年9月8日
執筆・監修:司法書士 名波直紀
名波司法書士事務所 代表
静岡県司法書士会所属・登録番号517
簡裁訴訟代理等関係業務認定番号108040
※本記事は、2026年9月8日現在の法令・公的機関の公表情報に基づいて作成しています。法令や制度は改正されることがありますので、実際の手続にあたっては最新情報をご確認ください。


