続柄は「長男」と「子」どちらで書く?相続税申告で使えなくなるケースに注意

法定相続情報一覧図を作っていると、続柄の書き方でふと迷います。
「戸籍には『長男』とあるが、記載例には『子』と書いてよいともある。どちらが正しいのか」
結論から言うと、どちらでも申出は通ります。
ただし、後から使える手続きの範囲が変わるため、選び方を間違えると作り直しになりかねません。
短い記事ですが、実務ではよく効いてくる論点です。
ルール:続柄は「戸籍どおり」が原則、「子」等への言い換えも可能
一覧図の続柄は、戸籍に記載された続柄(長男・長女・二男・二女・養子など)で書くのが原則です。
一方で、プライバシー等への配慮から、続柄を「子」とまとめて記載することも認められています。
配偶者について「配偶者」と記載することも同様です。
つまり選択肢は2つ。
- A:戸籍どおり(長男・長女・養子…)
- B:まとめて(子・配偶者)
違いが出るのは「相続税」と一部の手続き
どちらを選んでも、不動産の相続登記や多くの銀行手続きでは問題なく使えます。
差が出るのは、相続税の申告です。
相続税の申告で一覧図を戸籍の代わりに使うには、図形式で、続柄が戸籍どおりに記載されていることが要件とされています。
続柄を「子」とまとめた一覧図は、この用途では使えず、結局戸籍一式の提出が必要になります。
また、続柄の記載方法によっては、他にも利用できない手続きが生じる可能性があります。
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判断基準:迷ったら「戸籍どおり」
- 相続税の申告がありそう(自宅+預貯金で基礎控除を超えそう、など)→ 戸籍どおり一択
- 申告がないと確実に言える+養子や非嫡出子の続柄を関係者の目に触れさせたくない事情がある → 「子」も選択肢
将来の使い道はやり直しがききにくいので、特段の事情がなければ戸籍どおりに書いておくのが安全です。
「使えるはずの一覧図が税務で使えなかった」は、もったいない失敗の典型です。
なお、「養子」という続柄を記載したくない、というご相談は実際にあります。
プライバシーへの配慮と手続きの使い勝手はトレードオフになりますので、事情がある方は事前にご相談ください。
書き方のポイント
- 戸籍どおりに書く場合、同じ「長男」でも戸籍の記載を正として転記します(思い込みで書かない)
- 数字は戸籍の表記に合わせます(「二男」を「次男」と書かない、など)
- 養子は「養子」「養女」、認知された子も戸籍上の続柄に従います
下書き段階で決めておきましょう
続柄の方針は、一覧図の下書きを作る段階で決めてしまうのがスムーズです。
相続サプリの「法定相続情報一覧図 かんたん作成アプリ」で下書きを作り、続柄欄は戸籍と照合して確定してください。
相続税がかかるかどうかの見極めも含めて
「そもそもうちは相続税の申告が必要なのか」——続柄の選択は、実はこの見極めとセットです。
財産の概要をうかがえば、申告の要否の当たりを付け、必要に応じて連携する税理士をご紹介したうえで、一覧図の作り方までご案内できます。
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公開日:2026年8月9日
最終更新日:2026年7月28日
執筆・監修:司法書士 名波直紀
名波司法書士事務所 代表
静岡県司法書士会所属・登録番号517
簡裁訴訟代理等関係業務認定番号108040
※本記事は、2026年7月28日現在の法令・公的機関の公表情報に基づいて作成しています。法令や制度は改正されることがありますので、実際の手続にあたっては最新情報をご確認ください


