コラム

本籍地が遠方・転籍が多い場合の戸籍請求の順番:最短で揃えるコツ

「父は仕事の関係で本籍を3回移している。戸籍集めはどこから手を付ければいいのか」

「本籍地が九州と東北。窓口まで行くのは現実的でない」

転籍(本籍の引っ越し)が多い方の戸籍集めは、やみくもに動くと請求→到着→次の請求先が判明→また請求……と、1か所ごとに1〜2週間ずつ延びていきます。

段取りしだいで所要期間が倍も違う作業です。

この記事では、最短で揃えるための順番とコツをまとめます。

基本の順番:死亡時から過去へ「一方通行」で遡る

戸籍集めは、死亡時の戸籍から出発して過去へ遡るのが唯一の正攻法です。

  1. 最後の本籍地で、死亡の記載がある戸籍(除籍)を取得
  2. その戸籍の記載(従前本籍・改製事項)から、ひとつ前の戸籍の所在地を読み取る
  3. 前の本籍地へ請求する
  4. 出生の記載がある戸籍に到達するまで、2〜3を繰り返す

将来の請求先は、いま手元にある戸籍を読まないとわかりません。

だからこそ、1回1回の請求を確実に、無駄なく行うことが重要になります。

コツ1:広域交付が使えるなら、窓口1回で終わらせる

あなたが被相続人の配偶者・子・孫・父母(直系)であれば、戸籍の広域交付制度により、最寄りの市区町村窓口で全国分をまとめて請求できます。

転籍が多い方ほど、この制度の恩恵は絶大です。

  • 顔写真付き本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証等)を持って窓口へ
  • 「相続に使うので、この人の出生から死亡までの戸籍をすべて」と伝える
  • 注意:郵送・代理は不可、兄弟姉妹の戸籍は対象外、電子化されていない一部の古い戸籍は出ないことがあります

広域交付で取り切れなかった分だけ、郵送請求で補う——これが現在の最短パターンです。

関連記事

法定相続情報一覧図は郵送で申出できる:返信用封筒と同封書類の注意点

コツ2:郵送請求は「まとめ請求」で往復回数を減らす

郵送請求する場合の鉄則は、1通ずつ頼まないことです。

  • 請求書に「相続手続きのため、貴市区町村に保管されている〇〇(被相続人)の戸籍・除籍・改製原戸籍のすべてを交付してください」と書く
  • こうすれば、同じ市区町村内での転籍・改製分が1回の往復でまとめて手に入ります

同封するものは、請求書(各市区町村のHPから様式入手)、本人確認書類のコピー、相続関係がわかる戸籍のコピー(自分が請求権者であることの証明)、定額小為替、返信用封筒です。

コツ3:定額小為替は「多め」に入れる

郵送請求の手数料は、郵便局で買える定額小為替で納めます。

ここで起きがちなのが金額不足です。

  • 除籍・改製原戸籍は1通750円。転籍が多い方は同じ市区町村で複数通出ることがあります
  • 不足すると「追加を送ってください」の連絡→再送で、1週間単位のロスに
  • 多めに入れておけば、お釣りは小為替で返送されます。読めない事情があるなら750円×2〜3枚入れておくのが実務的です

なお、定額小為替には発行手数料がかかり、有効期限(発行から6か月)もあります。

買いだめには向きません。

コツ4:並行できるものは並行する

遡りは一方通行ですが、確定している請求先には同時に出せます

たとえば、死亡時の戸籍で「A市→B市→C市と転籍」の履歴が読み取れたら、B市とC市へ同時に請求して構いません。

また、相続人側の現在戸籍や住民票は、被相続人の遡りと並行して集められます。

廃棄・焼失していたら:「告知書」で対応

戦災・災害や保存期間の経過により、古い除籍等が廃棄・焼失していて取得できないことがあります。

この場合、市区町村が発行する「廃棄済証明」「告知書」など、交付できない旨の証明をもって代わりとする取り扱いがあります。

取得できないこと自体は珍しくありませんので、慌てず窓口に相談してください。

揃ったら、一覧図の下書きへ

戸籍が揃ったら、相続サプリの「法定相続情報一覧図 かんたん作成アプリ」で下書きを作り、記載の照合へ進んでください。

>>法定相続情報一覧図 かんたん作成アプリは、こちら<<

>>法務局|法定相続情報証明制度の具体的な手続について<<

戸籍集めそのものを任せる、という選択

司法書士は、職務上請求により全国の戸籍を代理取得できます

転籍が多い・兄弟姉妹相続で広域交付が使えない・古い戸籍の読み取りに自信がない——そんな案件こそ、収集ごとお任せいただくのが結局の最短ルートです。

ご相談のお申し込み・お問い合わせ

>>名波司法書士事務所(静岡県浜松市)へお問い合わせ<<


公開日:2026年8月14日
最終更新日:2026年7月28日

執筆・監修:司法書士 名波直紀
名波司法書士事務所 代表
静岡県司法書士会所属・登録番号517
簡裁訴訟代理等関係業務認定番号108040

本記事は、2026728日現在の法令・公的機関の公表情報に基づいて作成しています。法令や制度は改正されることがありますので、実際の手続にあたっては最新情報をご確認ください。

0120773075
AI

ご利用上の注意