コラム

法定相続情報一覧図の有効期限はいつまで?5年の保管期間と提出先の「発行後◯か月」問題

「去年もらった一覧図の写しは、まだ使えるのか」

「有効期限が切れたら、また戸籍集めからやり直しなのか」

法定相続情報一覧図の「期限」について、実は3つの異なる話が混ざって語られがちです。

  1. 一覧図の写し自体の有効期限
  2. 法務局での保管期間(再交付できる期間)
  3. 提出先が独自に求める「発行後◯か月以内」の条件

この3つを区別すると、疑問はきれいに整理できます。順に見ていきましょう。

1. 写し自体に「法律上の有効期限」はない

まず大前提として、一覧図の写しそのものに、法律で定められた有効期限はありません

一覧図が証明しているのは「被相続人が亡くなった時点の法定相続人」であり、この事実は時間が経っても変わらないからです。

何年前に交付された写しでも、記載内容が無効になることはありません。

2. 法務局の保管期間は「5年」:再交付のタイムリミット

一覧図は、申出日の翌年から起算して5年間、法務局に保管されます。

この期間内であれば、何度でも無料で再交付を受けられます(申出をした法務局で、申出人本人またはその代理人から)。

5年を過ぎると一覧図は廃棄され、再交付は受けられません。

その後に写しが必要になった場合は、戸籍を集め直して、最初から申出をやり直すことになります。

つまり「5年」は、写しの有効期限ではなく、「追加の写しをもらえる期間」のリミットです。

3. 提出先の「発行後◯か月以内」条件:実務上いちばん効いてくる期限

実務でもっとも注意が必要なのがこれです。

金融機関などの提出先は、書類の新しさを独自に求めることがあります。

たとえば「法定相続情報一覧図の写しは交付後6か月以内のもの」といった条件です(期間は提出先により異なります)。

法律上は無期限でも、提出先のルールとして受け付けてもらえないことがあるわけです。

古い写しが手元にある場合は、次のどちらかで対応します。

  • 保管期間(5年)内なら、法務局で再交付を受けて新しい交付日の写しを出す
  • 提出先に、手元の写しで受け付け可能か事前確認する

再交付の写しには新しい認証日が入るため、「発行後◯か月」条件はこれでクリアできます。

5年の保管期間が生きているうちは、実質的に「いつでも新しい写しを出せる」状態だと考えてください。

期限切れで困りやすい典型パターン

  • 預金の手続きは済ませたが、不動産の相続登記だけ先送りしているうちに5年が経過した
  • 申出人だった相続人と疎遠になり、再交付を頼みづらくなった(再交付を請求できるのは申出人本人だけです)
  • 相続税の申告期限(10か月)間際に、写しの「発行後◯か月」条件に気づいた

とくに1つ目は要注意です。

相続登記は義務化されており、原則3年以内の申請が必要です。

一覧図の保管期間が生きているうちに、登記まで済ませてしまいましょう。

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相続登記の義務化と法定相続情報一覧図:3年以内に何をすべきか

これから申出する方への段取りアドバイス

  • 手続き先の数を数えて、最初から必要枚数+予備を交付してもらう(無料です)
  • 交付を受けたら、間を置かずに各手続きへ。「発行後◯か月」問題は、早く動けばそもそも発生しません
  • 相続登記を含むすべての手続きを、5年以内に完了させる計画を立てる

一覧図の下書き作成には、相続サプリの「法定相続情報一覧図 かんたん作成アプリ」をご利用ください。

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>>法務局|法定相続情報証明制度の具体的な手続について<<

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法定相続情報一覧図の写しは何枚もらうべき?手続き先の数え方と再交付の方法

「昔の相続」が残っている方へ

「数年前に途中まで進めて、そのままになっている相続がある」という方は、一覧図の保管期限・登記義務の期限の両方を確認する必要があります。

現状の書類をお持ちいただければ、何が使えて何が必要かを整理いたします。

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公開日:2026年7月31日
最終更新日:2026年7月28日

執筆・監修:司法書士 名波直紀
名波司法書士事務所 代表
静岡県司法書士会所属・登録番号517
簡裁訴訟代理等関係業務認定番号108040

※本記事は、2026年7月28日現在の法令・公的機関の公表情報に基づいて作成しています。法令や制度は改正されることがありますので、実際の手続にあたっては最新情報をご確認ください。

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