法務局で補正になりやすい法定相続情報一覧図のミス7選:司法書士が実例で解説

法定相続情報一覧図を法務局へ申出したあと、「記載に不備があります」と連絡が来ることがあります。
これが補正(ほせい)です。
補正自体は珍しいことではありません。
ただ、そのたびに法務局とのやり取りが1往復増え、交付までの期間が1〜2週間単位で延びていきます。
急ぎの手続き(相続税の申告期限など)を控えている方には痛い時間のロスです。
この記事では、司法書士として相続手続きに携わる中で見てきた、補正になりやすいミスの典型7つと、その防ぎ方をご紹介します。
ミス1:氏名・住所が、戸籍・住民票と「一字」違う
補正原因の王様です。
- 戸籍の氏名が「邊」なのに、一覧図では「辺」と書いた
- 住民票の住所が「一丁目2番3号」なのに、「1-2-3」と略した
- 「髙」と「高」、「﨑」と「崎」の取り違え
一覧図は、戸籍・住民票の記載と完全に一致している必要があります。
パソコンで変換しにくい旧字体こそ、要注意です。
防ぎ方:完成した一覧図を印刷し、戸籍・住民票の原本と1文字ずつ指差しで照合する。
この一手間がいちばん効きます。
ミス2:戸籍が「出生まで」遡れていない
被相続人の戸籍を数通集めて「揃った」と思っていたら、実は婚姻前の戸籍が抜けていた——というパターンです。
改製原戸籍の取り漏れも典型です。
防ぎ方:一番古い戸籍に「出生」の記載(または出生時からその戸籍に在籍していたことがわかる記載)があるかを確認する。
判断に迷ったら、市区町村の窓口で「これで出生まで揃っていますか」と聞いてしまうのも手です。
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ミス3:亡くなった順番の勘違い(代襲相続と数次相続の混同)
- 被相続人より先に亡くなった子 → 代襲相続(孫を「代襲者」として1枚に記載)
- 被相続人より後に亡くなった相続人 → 数次相続(一覧図は被相続人ごとに別々に作成)
これを取り違えると、一覧図の構造そのものが誤りとなり、作り直しになります。
防ぎ方:関係者全員の死亡日を戸籍で書き出し、被相続人の死亡日と前後関係を確認してから図を作る。
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ミス4:被代襲者の書き方の誤り
代襲相続がある場合、先に亡くなった子は氏名を書かず「被代襲者(令和〇年〇月〇日死亡)」と記載し、孫には「代襲者」の肩書きを付けます。
被代襲者の氏名まで書いてしまう、死亡年月日を落とす、肩書きを忘れる——いずれも補正対象です。
防ぎ方:法務局の記載例(代襲相続のパターン)を横に置いて作る。
ミス5:相続放棄した人を、一覧図から除いてしまった
「放棄したのだから相続人ではない」と考えて外したくなりますが、誤りです。
一覧図は死亡時点の法定相続人を記載する書類で、相続放棄は反映されません。
放棄した方も記載したまま申出します。
防ぎ方:放棄・遺産分割・欠格などの事情は一覧図に書かない、と覚えておく。
手続き先には相続放棄申述受理証明書などを別途提出します。
ミス6:作成年月日・作成者の記載漏れ
一覧図の末尾には、作成年月日と、作成した申出人(または代理人)の住所・氏名の記載が必要です。
図を描くことに集中して、この定型部分を落とす方が少なくありません。
用紙はA4縦で、下から約5cmは法務局が認証文を入れるための余白として空けておく必要があります。
防ぎ方:法務局の様式(Excel)をベースに作れば、定型部分の抜けは防げます。
ミス7:申出書側の不備(本人確認書類の原本証明忘れなど)
一覧図は完璧でも、申出書とその添付書類で止まることがあります。
本人確認書類のコピーに「原本と相違ない」旨の記載と記名を忘れる、交付通数や利用目的の記入漏れ、管轄外の法務局への提出などです。
防ぎ方:申出書の書き方は別記事で詳しく解説しています。
投函・提出前の最終チェックにご活用ください。
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補正になったら、どうなる?
法務局から電話などで連絡があり、指示に従って修正・追完します。窓口へ出向くか、郵送でのやり取りになります。
修正が済めば、あらためて認証・交付という流れです。
放置すると申出が取り下げ扱いになることもありますので、連絡が来たら早めに対応してください。
提出前の「最終確認」に不安がある方へ
ミスの多くは、原本との照合というひと手間で防げます。
一覧図の下書き作成には、相続サプリの「法定相続情報一覧図 かんたん作成アプリ」をご利用ください。
※アプリの下書きも、提出前には必ず戸籍・住民票の原本と照合してください。
「自分では合っているつもりだが、見落としが怖い」という方のために、当事務所では申出前の書類確認のご相談もお受けしています。もちろん、申出そのものの代行も可能です。
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公開日:2026年8月2日
最終更新日:2026年7月28日
執筆・監修:司法書士 名波直紀
名波司法書士事務所 代表
静岡県司法書士会所属・登録番号517
簡裁訴訟代理等関係業務認定番号108040
※本記事は、2026年7月28日現在の法令・公的機関の公表情報に基づいて作成しています。法令や制度は改正されることがありますので、実際の手続にあたっては最新情報をご確認ください。


